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断熱材 2024.10.25

住宅における気密の重要性|デメリットや性能等級についても解説

住宅を建てる際に「気密」という言葉を見かけることはありませんか?

気密性とは、建物の隙間がいかに少ないかを示す指標です。気密性の高い住宅は、室内の温度や湿度を快適に保つことができるといったメリットがある一方で、デメリットも存在します。

今回の記事では、気密性を表すC値の説明や住宅における気密のメリット・デメリット、気密性の高い家を立てる際の注意点をご紹介します。

▼この記事でわかること

  • 住宅における気密の重要性
  • 気密等級の種類
  • 気密性を表すC値とは
  • 住宅における気密のメリット
  • 気密性の高い家のデメリット
  • 気密性の高い家を建てる際の注意点

この記事を参考に、快適な住宅を手に入れましょう。

住宅における気密の重要性

冒頭でも述べた通り、住宅の気密性とは、いかに隙間なく家が建てられているかを示す指標です。

気密性が高いと、室温を一定に保ちやすく、湿気を防いで結露やカビの発生を抑制することができます。そのため、高気密な住宅は、快適な居住空間を実現する上で非常に重要な要素と言えるのです。

気密等級の種類

住宅の気密性能は、「気密等級」で表されます。ここからは、4つの等級についてご紹介します。

等級 等級の概要 特徴
A-1等級 最も気密性が低い等級
通気性が求められる場所や、気密性が必要ない場所で採用される。
A-2等級 一般的な住宅に多く採用されている等級
初期費用を抑えることができる。
A-3等級 一般的な住宅に多く採用されている等級
近年では高気密住宅の需要が高まり採用が増えている。
A-4等級 最も気密性が高い等級
高い断熱性能と組み合わせることで、1年を通して快適な室内環境を実現できる。

等級は、1から4に上がるにつれて気密性が高くなります。それでは、各等級について詳しく見ていきましょう。

等級①|A-1等級

A-1等級は、最も気密性が低い等級です。

通気性が求められる場所や、気密性が必要ない場所にはA-1等級を採用する場合が多くあります。

等級②|A-2等級

一般的な住宅にはA-2等級やA-3の等級のものが多く採用されており、初期費用を抑えるためにA-2等級を選ぶ人も多く存在します。

等級③|A-3等級

前述した通り、一般的な住宅のドアやサッシにはA-2等級かA-3等級のものが使われることが多いですが、近年では高気密住宅の需要が高まっておりA-3等級が採用されるようになってきています。

等級④|A-4等級

A-4等級は、最も気密性が高い等級です。高い断熱性能と組み合わせることで、1年を通して快適な室内環境を実現できます。

A-4等級の住宅は隙間風がほとんどなく、室内の温度が外気の影響を受けにくいという特徴があります。そのため、夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことができ、快適な居住空間を実現できます。また、省エネルギー効果も高いため、光熱費を大幅に削減することができます。

気密性を表すC値とは

C値(相当隙間面積)とは、住宅の気密性能を表す指標です。住宅全体の隙間面積を延べ床面積で割った値で表され、単位は㎠/㎡です。

 

C値の計算式

C値=住宅全体の隙間面積÷延べ床面積

 

C値が小さいほど、住宅の隙間が少なく、気密性が高いことを示します。

住宅における高気密のメリット

高気密住宅には、快適な暮らしを実現するための様々なメリットがあります。ここからは、以下の4つのメリットについて説明します。

▼住宅における高気密のメリット

  • メリット①|室内の温度・湿度を快適に保つことができる
  • メリット②|光熱費を抑えることができる
  • メリット③|ほこりや花粉が入ってきにくい
  • メリット④|ヒートショックを予防できる

それでは、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

メリット①|室内の温度・湿度を快適に保つことができる

高気密住宅は外気の影響を受けにくいため、室内の温度や湿度を快適に保つことができます。

また、高気密住宅は室内の湿度を一定に保つことができ、結露やカビの発生を抑制することが可能です。結露やカビは建材の劣化や健康被害の原因となるため、高気密住宅は住宅の耐久性向上と健康的な生活にも貢献すると言えるでしょう。

メリット②|光熱費を抑えることができる

高気密住宅は冷暖房効率が高く、光熱費を抑えることができます。夏は冷房の効きが良く、冬は暖房の熱が逃げにくいため、エネルギー消費量を削減できるのです。

また、高気密住宅は断熱性能も高いため、冷暖房効率がさらに向上します。そのため、従来の住宅に比べて光熱費を大幅に削減することが可能になります。

メリット③|ほこりや花粉が入ってきにくい

気密性が高い家は隙間が少ないため、外部からほこりや花粉が侵入しにくくなります。

アレルギーをお持ちの方や小さなお子様がいるご家庭では、特に大きなメリットと言えるでしょう。

また、小さな虫などの侵入を防げる点もメリットの1つです。

メリット④|ヒートショックを予防できる

ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心臓や血管に負担がかかることで起こる健康被害のことを指します。

冬場に暖かい部屋から寒い浴室やトイレに移動する際に起こりやすく、高齢者の場合、深刻な事態に繋がることもあります。

気密性の高い住宅では家全体の温度差が小さくなるため、ヒートショックのリスクを軽減することができるのです。

気密性の高い家のデメリット

気密性の高い家には、メリットだけでなく、いくつかのデメリットも存在します。ここからは、気密性の高い家のデメリットについて解説します。

▼気密性の高い家のデメリット

  • デメリット①|気密性能が劣化してしまう
  • デメリット②|空気がこもりやすい
  • デメリット③|建設費用がかかる
  • デメリット④|ハウスダストが留まりやすい

それでは、気密性の高い家のデメリットを1つずつ見ていきましょう。

デメリット①|気密性能が劣化してしまう

気密性の高い家は経年劣化によって気密性能が低下していく可能性があります。これは、建材の収縮や隙間、ひび割れなどが原因で起こります。

そのため、気密性能を維持するためには定期的なメンテナンスや補修が必要です。

例えば、窓やドアのパッキンは経年劣化によって隙間が生じやすくなるため、定期的に交換しましょう。

デメリット②|空気がこもりやすい

気密性が高い家は、換気を適切に行わないと空気がこもりやすくなることがあります。そのため、計画的な換気システムの導入や、こまめな換気を行うことが重要です。

適切な換気を行うことで室内の空気の質を保ち、健康的な生活環境を維持することができます。換気不足は二酸化炭素濃度の上昇や湿度の増加に繋がり、健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。

また、シックハウス症候群の原因となる揮発性有機化合物が室内に蓄積される可能性もあるので気をつけましょう。

デメリット③|建設費用がかかる

気密性の高い家を建てるには、高性能な断熱材や窓、気密施工などが必要になるため、一般的な住宅に比べて建設費用が高くなる傾向があります。

しかし、長期的に見ると光熱費の削減効果によって初期費用を回収できる可能性が高いです。

気密性の高い住宅を建てる際には、初期費用だけでなく、長期的なコストも考慮することが重要だと言えます。

デメリット④|ハウスダストが留まりやすい

気密性が高い家は、外部からのほこりや花粉の侵入を防ぐ一方で、室内のハウスダストが外に逃げにくいという側面もあります。

そのため、こまめな掃除や空気清浄機の使用など、ハウスダスト対策をしっかりと行う必要があります。

ハウスダストは、ダニやカビ、ペットの毛などが主な原因です。アレルギー性鼻炎や喘息などの原因となるため、こまめな掃除や換気を心がけましょう。

気密性の高い家を建てる際の注意点

気密性の高い家を建てる際には、いくつかの注意点があります。ここからは、以下の4つの注意点について解説します。

▼気密性の高い家を建てる際の注意点

  • 注意点①|24時間換気システムは第1種換気方式を選ぶ
  • 注意点②|給気口や換気扇など空気の流れに注意しカビを防ぐ
  • 注意点③|冬場は室内が乾燥しすぎないように加湿器などを取り入れる
  • 注意点④|換気扇のフィルター掃除を徹底する

それでは、それぞれの注意点を1つずつ見ていきましょう。

注意点①|24時間換気システムは第1種換気方式を選ぶ

気密性の高い住宅では、計画的に換気を行うことが重要です。24時間換気システムは、常に新鮮な空気を取り込み、室内の空気をきれいに保つために役立ちます。

換気方式には、第1種換気方式、第2種換気方式、第3種換気方式の3種類があります。

気密性の高い住宅には、第1種換気方式が最適です。 給気と排気を機械でコントロールすることで、効率的な換気が可能となり、室内の空気質を高く保つことができます。 

また、外気温の影響を受けにくいので、室温を安定させる効果も期待できます。 第1種換気システムは初期費用が他の換気方式に比べて高くなる傾向がありますが、ランニングコストが低く、長期的に見ると経済的です。

 

注意点②|給気口や換気扇など空気の流れに注意しカビを防ぐ

 

気密性の高い住宅では、空気の流れを意識することが重要です。給気口の位置や換気扇の設置場所などを適切に設計することで、室内の空気を効率的に循環させることができます

空気の流れが悪いと、湿気がたまりやすく、カビの発生原因となる可能性があります。適切な換気計画を立てることでカビの発生を抑制し、健康的な住環境を維持しましょう。

例えば、給気口を窓際に設置することで、外からの新鮮な空気を取り込みやすくなります。

また、換気扇を浴室やトイレなど、湿気が発生しやすい場所に設置することで、湿気を効果的に排出することができます。

このように、工夫して空気を循環させることが大切です。

 

注意点③|冬場は室内が乾燥しすぎないように加湿器などを取り入れる

 

気密性の高い住宅は冬場に乾燥しやすくなる傾向があります。 これは、室内の水分が外に逃げにくいためです。 

乾燥は、肌荒れや風邪などの原因となる可能性があります。 加湿器を使用する、洗濯物を室内に干すなど、加湿対策を行うことで、快適な湿度を保ちましょう。

加湿器を使用する際には、適切な湿度を保つことが重要です。 湿度が高すぎるとカビやダニの発生原因となる可能性があります。 湿度計を設置し、室内の湿度をこまめにチェックするようにしましょう。

 

注意点④|換気扇のフィルター掃除を徹底する

 

換気扇のフィルターは、ほこりや油汚れなどを捕集し、室内の空気質を維持するために重要な役割を果たします。

フィルターが目詰まりすると換気効率が低下し、空気の循環が悪くなる可能性が高くなるため注意が必要です。

定期的にフィルターを掃除することで、換気効率を維持しましょう。

フィルターの掃除頻度は、使用状況によって異なりますが、一般的には月に1回程度が目安です。換気扇の取扱説明書をよく読んでから掃除を行うようにしましょう。

 

まとめ

今回の記事では、気密性を表すC値とは何か、住宅における気密のメリット・デメリットや気密性の高い家を立てる際の注意点をご紹介しました。

高気密住宅は、室内の温度や湿度を一定に保つことができるといったメリットがある一方で、空気がこもりやすいといったデメリットもあります。

また、高気密住宅にするには初期費用が高くなる可能性もありますので、予算に合わせてどの等級の気密性能にするか検討してみましょう。

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