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断熱等級 2024.7.29

断熱等級4が最低基準に|2025年4月施工の省エネ義務化の仕様基準を解説。

2025年4月からはじまる省エネ基準義務化に対応できていますか?

住宅の省エネ性能に関する基準が大幅に引き上げられ、これまで以上に高性能な住宅が求められるようになります。

しかし、具体的に何がどう変わるのか、対応策はどうすればいいのか、把握できていない方も多いのではないでしょうか?

この記事では、省エネ義務化によって何がどう変わるのか、そして住宅メーカーが具体的にどのような対応策を講じるべきかについて解説します。

具体的には、以下の内容について解説します。

▼この記事でわかる内容

  • 省エネ義務化とは何か、なぜ実施されるのか
  • 省エネ義務化によって住宅性能の等級基準がどう変わるのか
  • 断熱等級4を満たすための具体的な基準
  • 断熱等級4より上位の性能について
  • 住宅メーカーが具体的にどのような対応策を講じるべきか

本記事を読むことで、省エネ基準義務化に向けて、住宅メーカーが何をすべきか理解できるはずです。ぜひ最後までご覧ください。

この記事を参考に、省エネ基準適合義務化にスムーズに対応し、高性能な住宅を提供できる体制を整えましょう。

2025年4月から始まる省エネ義務化の前提知識

2025年4月に施行される省エネ義務化は、日本の住宅建設において重要な変革をもたらします。ここからは、この法律の背景や具体的な内容について詳しく解説します。

省エネ義務化とは?

省エネ義務化とは、住宅や建物のエネルギー消費を抑えるための基準を法的に設定する制度のことを指します。断熱性能の向上や設備の効率化が求められ、環境負荷の低減が期待されます。

冒頭でも述べた通り、2025年4月より省エネ基準が大きく変わります。工務店や建築関係の仕事をされている方は必ず確認しておきましょう。

引用元:省エネ基準適合義務化|国土交通省

省エネ義務化が決定した背景

省エネ義務化が決定した背景には、地球温暖化対策やエネルギー資源の有効利用が挙げられます。

政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すことを宣言しており、国単位で省エネに取り組む必要が出てきました。

温室効果ガスを削減するための取り組みとして、建設業界にも省エネの義務化が定められることになりました。

省エネ義務化による変更点

2025年4月から省エネの観点で建築基準法が改正されることで、住宅建設の基準が大幅に見直されます。

ここからは、以下の4つの変更点について説明します。

▼省エネ義務化による変更点

  • 変更点①|等級見直しでこれまでの最高等級が最低等級に
  • 変更点②|断熱等級5~7が新設される
  • 変更点③|建築士の役割の変化
  • 変更点④|長期優良住宅の認定基準も見直し予定

それでは、それぞれの変更点について詳しく見ていきましょう。

変更点①|等級見直しでこれまでの最高等級が最低等級に

まずは、等級の見直しについてです。れまでの最高等級であった等級4が、2025年4月からは最低等級として位置付けられます。

これにより、全ての新築住宅が高い断熱性能を持つことが義務化されます。これまでの最高等級レベルが当たり前の基準になるため、必ず事前に準備しておくようにしましょう。

更に、2030年からは等級5が最低等級になると言われています。建築基準は年々変わっていくため常にチェックしておくことが必要です。

変更点②|断熱等級5~7が新設される

2点目は、断熱等級5~7が新設されることです。

前述した通り、これまでの最高等級は4でした。2025年4月からは断熱等級5から7が新設され、さらに高い断熱性能が求められます。

これにより、省エネルギー住宅の普及が促進され、エネルギー消費の削減が期待されます。変更点①でも述べた通り、2030年からは等級5が最低等級になるため注意しましょう。

変更点③|建築士の役割の変化

3つ目の変更点は、建築士の役割の変化です。2025年4月の改正によって、断熱性能の確保やエネルギー効率の高い設計が求められることになります。これにより、建築士の技術力向上が必要になってくるのです。

これまでの建築士より更に高いレベルを求められるため注意しておきましょう。

変更点④|長期優良住宅の認定基準も見直し予定

4つ目の変更点は、長期優良住宅の認定基準の見直しです。長期優良住宅とは、「長期優良住宅認定制度」の基準をクリアした住宅のことを指し、長く安心して暮らせる住宅のことをいいます。

2025年4月から、この認定基準が見直されてさらに厳しい断熱性能が求められるため注意しておきましょう。

省エネ義務化の断熱等性能等級への影響

省エネ義務化により、断熱などの性能等級に影響が出てくることはご存知ですか?ここからは、以下の4つの影響について説明します。

▼省エネ義務化の断熱等性能等級への影響

  • 影響①|等級4が標準化
  • 影響②|高性能住宅の需要増加
  • 影響③|建築コストの上昇
  • 影響④|高度な設計・施工技術が求められる

それでは、それぞれの影響について見ていきましょう。

影響①|等級4が標準化

1つ目の影響は、変更点でも述べた通り断熱等級4が標準化されることです。

2025年4月の改正により断熱等級4が最低等級となり、全ての新築住宅において高い断熱性能が求められます。

断熱等級が改正されることで、エネルギー消費の削減が期待されるため、省エネにつながるのです。

2030年からは等級5が最低等級になると言われているため、今のうちから準備を進めておきましょう。

影響②|高性能住宅の需要増加

2つ目の影響は、高性能住宅の需要が増加することです。2025年4月の改正を皮切りに、高性能住宅の需要が増加し、より高い断熱性能を持つ住宅が求められるようになると推測されています。

省エネルギー住宅市場が拡大する見込みがあるため、今のうちから需要に応えられるように準備をしておく必要があるでしょう。

影響③|建築コストの上昇

3つ目の影響は、建築コストの上昇です。断熱をはじめとする様々な性能の向上に伴い、建築コストが上昇することが予想されます。

これにより、資材の選定や施工方法に工夫が求められるため早いうちから準備をすすめておきましょう。

影響④|高度な設計・施工技術が求められる

4つ目の影響は、高度な設計・施工技術についてです。2025年4月の改正により、これまで以上に高い断熱性能を確保する必要があります。そのために、高度な設計・施工技術をもった建築士や施工業者が必要になるのです。

業者の変更や建築士の増員なども視野に入れて準備を進めておきましょう。

断熱等級4を満たすための仕様基準・性能基準

2025年4月の改正から、等級4が最低等級になります。等級4は2022年まで最高等級だったこともあり、まだまだ対応しきれていない業者も多いのが現状です。

ここからは、断熱等級4を満たすための具体的な仕様基準や性能基準について詳しく解説します。

性能基準|UA値とηAC値が基準値以下

まずは、性能基準についてです。断熱等級4を満たすためには、UA値やηAC値が基準値以下であることが求められます。等級4では、UA値0.87、ηAC 値2.8に相当します。

また、HEAT20という断熱基準によると、等級4は「冬の室内の最低体感温度が8℃を下回らない程度」とされています。

仕様基準|断熱材の種類や厚さが基準以上

次に、仕様基準についてです。

断熱等級4を満たすためには、断熱材の種類や厚さが基準以上であることが求められます。

住宅の断熱性能を保つため、これまでより高級な素材を使わなければならないこともあるため、事前に詳しくリサーチしておきましょう。

断熱等性能等級4より上位の性能は?

2025年4月からの省エネ基準義務化に伴い、最低限の断熱性能として断熱等性能等級4が設定されます。

しかし、より快適な住まいを求めるのであれば、等級4よりも上位の性能を持つ住宅を検討することも可能です。ここでは、等級5〜7の性能について解説します。

引用元:住宅性能表示制度の見直しについて|国土交通省資料

等級5|ZEH基準相当

等級5は、ZEH基準と同等の断熱性能を持ちます。ZEH基準は、2020年時点で既に新築住宅の6割以上が達成しており、比較的実現しやすい性能と言えます。

断熱性能を高めることで、夏は涼しく、冬は暖かく、一年を通して快適な室内環境を維持できます。また、冷暖房に必要なエネルギーが少なくなるため、光熱費の削減にもつながります。

等級

基準

概要

5

ZEH基準相当

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、年間の一次消費エネルギー量(空調、給湯、照明、換気)が概ねゼロ以下となる住宅のことです。高断熱・高気密に加え、高効率な設備システムや再生可能エネルギーの活用が求められます。

等級6|HEAT20 G2グレード基準相当

等級6は、HEAT20のG2グレードと同等の断熱性能を持ちます。HEAT20は、国の基準よりも厳しい断熱性能を求める方向けの基準であり、快適性や省エネ性を重視する人におすすめです。

断熱性能を高めることで、結露の発生を抑え、建物の耐久性を向上させる効果も期待できます。

等級

基準

概要

6

HEAT20 G2グレード基準相当

HEAT20とは、2009年に発足した民間団体が作成した断熱基準です。G2グレードは、寒冷地で暖房負荷を50%以上削減することを目標としています。

等級6から高性能住宅と呼ばれることが多く、技術も必要なレベルです。

等級7|HEAT20 G3グレード基準相当

等級7は、HEAT20のG3グレードと同等の断熱性能を持ちます。HEAT20の最高グレードであり、極めて高い断熱性能を誇ります。

断熱性能を高めることで、健康で快適な住環境を実現できるだけでなく、地球温暖化対策にも貢献できます。

▼参考リンク

住宅シナリオと外皮性能水準 | HEAT20【トップ】/2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会公式サイト

等級

基準

概要

7

HEAT20 G3グレード基準相当

G3グレードは、G2グレードよりもさらに厳しい断熱性能を求める方向けの基準であり、北海道のような極寒地でも快適に過ごせる住宅を目指しています。

省エネ義務化による断熱等級基準の引き上げへの対応策

ここからは、省エネ義務化に伴う断熱等級基準の引き上げに対応するための具体的な対応策について解説します。

対応策①|断熱性能の向上

1つ目の対応策は断熱性能の向上です。

まずは、何と言っても断熱性能を向上させなければ最低等級を満たすことができません。断熱材の性能ももちろんですが、建築士や施工する業者のレベルも関わってくるため事前にすり合わせておくよう心がけましょう。

対応策②|情報収集と知識習得

2つ目は、情報収集と知識の習得です。

建築物省エネ法は、近年の温暖化の影響で法律の改正が非常に多くなっています。今後も断熱等級が変化する可能性もあるため、常日頃から情報収集と知識の習得は忘れずに行いましょう。

対応策③|顧客への説明と提案の実施

3つ目の対応策は、顧客への説明と提案の実施です。

最終的に、家の性能を決めるのは顧客です。2025年4月から断熱等級4が最低等級になりますが、顧客がさらに上の等級を求めることもあります。

どの等級がどんな性能を持っているのか丁寧に説明し、予算とのバランスを考え適切な提案を行うようにしましょう。

まとめ

まとめ

今回の記事では、2025年4月から開始される建築物省エネ法の改正について説明しました。

2025年4月からは、従来最低等級であった断熱等級4が最低等級になります。また、2030年には等級5が最低等級になるとも言われています。

温暖化の影響で、さらに法律が改正される可能性も十分にあります。

変化の激しい建築業界ですが、日頃から情報収集を重ね、急な改正にも対応できるようにしておきましょう。

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